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2007年 07月 18日
機能とサイズの逆説
最近別のところthe other placeで以前に書いたものを加筆転載する場合が多くなっていますが.

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 現状では小さく多機能化するプロダクトと,大きく単機能化するプロダクトの二つしかない,と仮説を立ててみよう.iPodは小さく多機能化し,いずれ電話とカメラと外出先用のTVモニタも収まるだろう.一方居間のカウチを取り囲むTVモニタやステレオはますます単機能化し拡大する(ex.重低音のためだけにスピーカ1台).辞書・事典類(=多機能)は電子辞書にまとめられ小さくなるが,以前雑誌の一トピック(=単機能)程度だった内容は新書判に希釈され,密度が濃くとも建築批評用語に特化した『言葉と建築』は重量900gに迫り,アーティストブックはさらに嵩む.
 ところがこの図式で説明できない現象が二つある.一つは単機能の狭小住宅と,多機能(ex.バーベキューガーデン,ゲストハウス……)の巨大高層マンションが共に流行している住宅である.機能とサイズに関するこのねじれの関係はもしかしたら,居室一部屋分の単機能が拡大にすぎない狭小住宅と,多機能な戸建住宅が縮小し集積したマンションという図式でまだしも説明できるかもしれない.
 しかしもっと解らないのはSmartとSUVが共存している乗用車だ.上記説明によれば,多機能化しつつある乗用車はサイズを下げてほしい.バッファを保ちながらコンパクトになったSmartやMercedez A ClassやDemioやFunCargoなどが,機能集積によってスプロールを防ぎコンパクトになった都市を疾走してくれれば,この仮説はまだ有効だ.ところが僕の住む新宿区の神楽坂〜江戸川橋辺りは決して田舎ではないと思うが,なぜか中央線の武蔵境辺りですら見かけないSUVを頻繁に見かける.日産が日本でQashqaiを売り出すというニュースを見たが,新たにSUVが出続けるのだから身近な例というだけではない.SUVなら田舎の国道をひた走るという単機能に留めてほしいが,都会で見かけるということはきっと多用途の使われ方をされているのだろう.もちろん仮説が恣意的だったとも言えるが,逆に自動車は何か特殊な,機能以外の(ステイタスとか)ファクタが強い製品なのだろうか.それともSUVの機能に関して僕が誤解しているだろうか? 確かに,ZもCelicaもRX-7もあまり見かけない時代なのだ.

by d_ama | 2007-07-18 06:31 | miscellaneous

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