人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2007年 01月 16日
忘却
呼吸を忘れていることがある.例えば大学での授業や,学術イヴェントで発言したりするとき,僕が話すのは文章語なので,一文が多分かなり長い.というわけで,その文の末尾になるにつれ,不足がちな息を使って発声するので,多分聴いている人にも息苦しいはず.アイヌ人アーティストOkiのCDを持っているが,その中ではわざと息苦しい感じの呼吸を聴かせる曲がある.もちろん聞いていて息苦しくなる.多分そうした呼吸に,何らかの呪力をみとっていた伝統があったのだろう.あれと同じことを,僕自身が周囲の人にしてしまっているのかも知れない.発する文に注意が傾いているときには,往々にして呼吸で思考を妨げたくないものなので,吸う息の量は少なめ.余計呼気不足になる.
金曜の朝,様々の準備を終えたら朝6時を過ぎていて,「眠るのがばからしい」というフレーズがふと頭を掠めた(こういうのが無意識の思考なのだろうか).この時以来というわけではなくて実は最近ずっとそうなのだが,眠り方を忘れている.眠りに入るときのヴィジョンのパタンがあったのだが,そのパタンが効かなくなっているのもある.しかしそもそもそのパタンがあった時でさえ,そんなヴィジョンがあったことを忘れている場合の方が多かった.眠れないのなら何か執筆をすればいいのだが,そういうときの執筆にミスや忘却や飛躍が多いことは分かっていて,要は頭が働いていない.眠いのに寝れないという感覚はどれくらい普通のもので,どれくらい変なのだろう?
食べることを忘れていることもあった.論文を書いているときなど,1日1食のこともある.もっとも,食べたことを忘れていることもあった.論文が進まないときなど,1日4食のこともあった.高校の頃は,朝食,早弁,昼休みの買い食い,部活後のコンビニでのパン,夕食,場合によってはさらに夜食という1日5,6食という日もざらだった(これは忘れていたわけではないが,1日何食かカウントするほどの自覚もまたなかった.本能のままに?).しかし今それをやると頬の辺りの膨らみに直接響いている(いや,高校のときも響いていたのを,気にするようになったのが最近なのかも知れないが).食べることを忘れた日はさほど痩せたようには感じないが,食べたことを忘れて食べ過ぎた日は顔がむくんでいる気がする.
この調子だから,仕事に関することも忘れているのだ.日常から立て直すこと.
今日というかもはや昨日,は,朝に鼻につけてしまったフレッシュネスバーガーのマスタードを,19時までつけっぱなしのまま各種図書館や塾のバイトなどを廻っていた.つけたことは確かに覚えているが,拭くことを忘れてしまったのである.

by d_ama | 2007-01-16 06:49 | miscellaneous

<< 建築と体操      建築家山田守展シンポジウム >>