2006年 05月 17日
藤田嗣治展 Leonard Foujita 28/03/06-21/05/06 東京国立近代美術館 中南米を経由してフランスから日本に帰国する過程で,あっさり白い磁器質のテクスチャがなくなっているが,戦後フランスに復帰するとまたそのテクスチャが復活している点. 最初のフランス滞在時から,題材に聖書などを選択しながら,描法に墨や金箔の背景などで日本という出自のもつ可能性を追求した点.磁器質のテクスチャも,日本ないし中国に対する西洋でのイメージに並行したか(それくらいの戦略性は当然あっただろう). 画面に書かれた署名が,Foujita+西暦だったのがFujita+西暦になったり嗣治+皇紀になったりする点. 詳しくは,やはり本を読まねば. ……最近,展示を見るよりも書物に書いてある事項の方が重要だということを,繰り返しここで書いている.それはそれで,かなり偏った意見ではあろう.むしろ,書物に書いてある知識に頼りたい気分が僕にあるということ.自分で考えることを後回しにしている.自分の持ち道具に自信を失いつつあるか.もちろんよくないこと.おそらく,未だに親がかりの生活をしていることに,まだ開き直れていない.開き直れるだけの働きもしていない.焦れば焦るほど,研究者としての能力を高める機会を失うことも解っている.一番競争の無さそうなところに進んだつもりだったのだが(勝手に競争だと勘違いしているだけで,実は初めからコンペティタ全員が敗けを運命づけられているかも知れないのだが). 『論座』の特集に書かれていた教育学部の院生の現状.程度の差こそあれ,僕がこのようなことを書いているからには,傾向は同じかも. 展示の話に戻るならば.今日の朝11時頃に向かったら,もう切符を買うのに30分,入場に20分弱待たされる始末.朝一を狙わなくてはね.こんなに人がいながら,周囲を見渡すと一様に喧しいおばさん.キミマロのライブか?(なにキミマロだっけ?) そういえば僕が少年時代に一番怖かったものを思いだした.中高年女性だった.ところで,こんなに藤田嗣治って有名だったのか? みんな「異邦人」になりたいのか? ……まあ,愛国心とやらを強制されるようじゃな.
by d_ama
| 2006-05-17 00:52
| events / art
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