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2006年 03月 12日
中国で見る「北海道」
中国に入った日の青島のホテルで,チャンネルの多さに興奮して(笑)ザッピングしながらTVを見ていたのですが(うちにTVがないので,現代人ながら「物珍しい」というのもあります),その一晩(といっても2,3時間くらいですけど)で2度も「北海道」という言葉が普通に(つまり紹介するという形でなく,誰もが知っているかのような単語として)出てきたのでちょっと引っかかりました.
1度目は,中国によくある(と日本では思われていますが,実はさして人気がある風でもない)抗日ドラマ(CCTVが流していました)の中で,確か日本軍に連行される少女たち(結局日本軍に反抗したため追跡され殺されるという運命にあるのですが)の行き先として,下手な日本語を話す日本軍兵士が「北海道」と言っていました.中国のドラマって登場人物の話す言語は(いかに下手でも)そのキャラクターが話すべき言語(日本軍兵士なら日本語)で,しかし(話し手が中国語を話す漢民族でも)中国語の字幕が常時付きます.日本にとっての「開拓」地として,また樺太・千島支配の拠点として北海道の建設に力が傾けられ,その分半島・中国大陸での「開拓」が疎かになったというか,もともとできるような広さじゃなかったというか,反発にあって「開拓」しようにもできなかったというか,そこらへんの歴史的事実はまあその通りですが,中国国内であっさりと「北海道」という言葉が出てきても通じるのだなあ,と思ったのでした.
2度目は,現代ドラマで,電子機器製造の董事長(社長に当たります)をやっている若い女性と,その会社の部下であるかっこよく仕事も出来る男性(なんたって会議に遅れてきても堂々と董事長の方針に異議を唱えるのです・笑),その男性と付き合っている董事長の妹,董事長にふられたばかりの妹の男友達という,主に4人の登場人物です.董事長が男性を妹から奪うためにいろいろ策略を凝らすという,昼ドラ的などろどろの恋愛模様を描くのですが,その中で,日本との商談をするために董事長に出張を命じられる男性.しかし男性宅に送られてきたチケットは「カップルで行く北海道」.なぜか,そのチケットの入った封筒を,董事長の妹が開けて,チケットを見てしまうのも,定石通りですね.その妹が自分の家から突然走って出ていったので不思議に思った男性,チケットを見て「○×△(董事長のフルネーム)〜」と,嵌められたことを悟るわけです.北海道ってそんなにアジアからの観光客多かったっけ?と思うのですが,札幌以外の観光地に行けば,実際に韓国人や台湾人や中国人が多いのかも知れません(実は,あんまり知りません.札幌に割と行くのですが,観光客というよりはいつもの生活の続きをしてしまうので……).

テレビの話をしたのでついでに書くならば,上海のバンドのビアホールのスタッフが接客も忘れて食い入るように見入っていたのは,現代テイストの入った時代劇(出演者が英語を喋ったりラップを歌ったりするし,オープニングはウィンドウズの画面をクリックすると出演者紹介などになるというもの)というかチャンバラ劇(カンフーの達人がいます)というか,恋愛もあり親探しもありという喜劇です.「武林外傳──My Own Swordsman」というもので,日本語のページでも少しだけ言及がされているようですね(ググった).主人公の一人で郭芙蓉という若い女性が出てくるのですが,見た目は昔の早見優のようで,でもギャグに奔るときはひたすらに面白い表情を見せるひとです.この女性に恋しているのが科挙勉強中の呂「秀才」(あだ名です).体力もないしおっちょこちょいという典型的な勉強人間キャラクターですが,彼の演技力がドラマを支えているかな,という印象です.どうやら,CCTVの2006年新春ドラマらしく,僕は再放送の一部を見たことになります.
全然中国語解らなくても,何となく解る部分があるのと,あとは俳優女優の表情を見ているだけでも楽しめるという感じです(中国語の字幕に助けられている部分も大きいです).

by d_ama | 2006-03-12 04:44 | cities/architecture

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