2007年 12月 23日
シラバスをつくる
レジス・ドゥブレほか『思想としての〈共和国〉—日本のデモクラシーのために』(みすず書房2006)を思い出しながら,シラバスを作ってみる.
共和国は学校が好きだ。デモクラシーは学校を恐れる。しかし、両者がいちばん愛しまた恐れるもの、それは依然として学校における哲学教育である。ある国が共和国なのかデモクラシーなのかを区別するもっとも確かな方法は、哲学が高等学校で、すなわち大学入学以前に教えられているかどうかを調べることである。
共和国の学校は知性豊かな失業者を生み出すと言われ、デモクラシーの学校は競争力のある馬鹿者を育成している。(ウェブ上の異なる2つの場所からの引用)
〈共和国/デモクラシー〉という対立軸は〈フランスの理念/アメリカと全世界の現状〉,移民に対する態度としての〈同化/寛容〉,優秀な者が〈官僚になる/事業に奔る〉,市民が〈理性と議論の動物である/生産力の動物である〉……などと重ねられる.あまりに鮮やかに描かれているから本当かよと思うが,一方ですごく納得させられてしまう.
もともと僕が属している分野は,あまり生産とは関係ない(建築生産に直接関係するわけではない).その一方で,positiveな=実定的な,形になっている論文生産を求められる場面が,学年が上がるたびに増えてきた.そして大学教育も「優秀な」=おそらくは就職できる)学生の(底上げ的な)生産であり,運が良ければ(たとえば僕が教えることになる大学でのように)その間に研究者になれるしなりたいと思っているような学生にも出会える,というような状況だろう.上記著書において「理性と議論」と「生産力」は対置されているけど,それはおそらく互いに排他的なものではない.理性を伴った生産力は,生産だけに追いまくられないことにかかっているはずだ.
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by d_ama | 2007-12-23 13:55 | institutions

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