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2007年 07月 23日
打ち水反対
打ち水という習慣,僕は嫌いだ.
涼しくなるという効果があることは理解できるが,湿度の高い地方ではあまり意味がない上に,その場の湿度をますます高めているだけだろう,と思うからだ.それに,都市の気温を下げる上で人々の行動や習慣に頼るという解決手段も安易だと思うし,打ち水をみんなでやったら水不足になるのではないか,という気もする.
建築レヴェルで解決するとしたら,屋上や壁面の緑化しかない.まだこれから,という感じだが.
土木レヴェルで解決するとしたら,公園の整備だろう.建築家には自分の建築をフォトジェニックにしようと,周囲に木を植えるのを嫌う人もいるだろうが,国立新美術館の周りはもっと木を植えてもよいし,植えまくって隠しちゃってもいいかも知れない.
都市レヴェルで解決するとしたら,風が通り抜けられるように建築群を規制することになるだろうか.その点で汐留は失敗だ.
以上の構造的解決手段がありながらそちらには手を付けずに,市井の人々の打ち水に頼るのは,順番を間違えている.何か問題が起きると一般市民の行動を喚起するというのが,特に役所の常套手段だが,その運動にもエネルギーやコストが費やされているわけで,もっと効率的な運用があるのでは,とよく感じる.
それにそもそも,東京の道に水をまいてよいのは誰なのか? 中小業者や住宅街なら土地の持ち主がそこに住んでいるのだろうからいいけど,マンションや団地に住んでいる場合,あるいは賃貸住宅の場合,さらには店がテナントとして一階に入っている建物の場合,水をまく権利はどこにあるのだろう?

by d_ama | 2007-07-23 01:29 | cities/architecture

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