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2006年 03月 02日
青島の印象
青島という街のイメージは,日本国内で一般的に定着しているとはいえないが,成田からはJAL/China Easternが毎日1便,ANAが週4便出ているほど密接な人的交流がある(http://www.lizi.com/qingdao/air-01.html).そのほとんどはビジネス客で,青島で目に付いた企業は家電のハイアール(海尓)と,青島ビール(啤酒),またHiSenseブランドの家電の海信だった.空港から市内にアクセスする上で,海尓路という,企業が造った道路を通るのが一般的なようだ.ちなみに空港と市内は,タクシーで120km/hとかのスピードで途中とばしても,旧市街まで1時間,新市街まで40分程度か.相当に空港が遠いのは,それだけ大規模な開発が計画されているか,そもそも空港の配置計画が間違ったか,どちらかだろう.青島は2008年北京オリンピックのヨット会場になっているため,それなりに政府からの資本投入もされているはずだ.そのため高速道路はかなり広いし,直線である.話題を元に戻すならば,直線の道路を飛ばしてもなおそれだけ時間がかかる位置に空港がある.バスはいきなりの観光客には使いにくいし,鉄道は通じていない.
さらに話題を戻すが,青島に多くの日本人が暮らしているのも,上記のような企業との合弁が盛んだからかもしれない.同様に,韓国人も多い.ただし,こうした人々は通常観光都市として知られている旧市街よりも東に離れた,より空港や工業地区に近い新市街に住んでいるようだ.旧市街には韓国料理店もあるが,日本料理店は新市街にしかない.しかし新市街には,どちらも数多く存在する.青島市はリゾート地としても売り出す予定があるらしく,実際に空港と新市街をつなぐ海辺の道路をタクシーで行き来してみると,結構気持ちがいい(タクシーのメーターが壊れている場合,運転手は大抵値段をふっかけてくるので,値段は交渉次第となる.本当は,メーターが壊れているのを見たら降りるべきなのだが,乗ったときにすぐ確認できないのは,動き出してしばらくしてからメーターを倒す場合が通常だからだ).
旧市街はすでに西洋建築の街として売り出す動きがあるようだが,都市全体がそういう売り出しに動いているというよりは,たとえば地元の青島日報などが旧市街の建築物を紹介する冊子を刊行しているといった程度.それでも市街には建築物を紹介する看板がすこしずつ立ったり,その建築物に張り付けられたりしている.とくに旧市街の少し東側に位置する江蘇路や,青島病院から迎賓館に向かう道沿いはドイツ時代の邸宅が数多く残っている.その一方で,青島病院の裏手から天主教堂の裏手へ下っていく黄浦路(という名前だったとも思う)は商店街になっていて,リゾートとかドイツ建築とかのイメージをあざ笑うかのような濃度が立ちこめている.あらゆる食品素材,肉も魚も野菜も全部そのままが,道沿いや道の真ん中に山積みになっている.ものすごい匂い(か,臭い).鋭敏な人ならば,頭が痛くなりそうなほど,様々な匂いが入り交じっている.
新市街の方はまさにニュータウンという印象.ジャスコもあるし,店内には「中国1号店」と書かれた松屋もある.靴や鞄などの値段は,日本と実はそう変わりない印象.松屋の価格設定は見なかった.ジャスコが進出すると,周囲の服飾などを専門にする店屋や,そうした店を独自に地元で集めた中小ショッピングセンタが苦戦する構図も,日本そのまま.
青島の新市街についてはhttp://www.lizi.com/qingdao/で飲食店案内などが詳しいが,旧市街を歩いて建築を見るには,http://www.lizi.com/qingdao/book01.htmlで紹介された冊子についている地図がなければ,今回ほど効率的には巡れなかった.

by d_ama | 2006-03-02 00:39 | cities/architecture

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