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2006年 01月 19日
こんな分厚いの誰が読むんだ
↑研究に関する書物なら平気で読める厚さですが.

あまり声高に言うことができないのですが(もう書き始めちゃってる),今週末は某イヴェントのため数時間拘束されます.僕はたかだか学生ですので数時間で済みますが,全国の大学教員という,平均的に見て多少高い知性の持ち主たちが,今週末は2日間朝から夕方まで10〜11時間拘束されて,ある役を演じることになっています.僕の指導教員は「多少高い」では済みません……という断りをここに書いても仕方ないか(笑)
そのイヴェントをこなすためのマニュアルが3部,小さいもの(これは会場ごとのローカルな資料)はA4版40頁ほど,大きいもの(全国共通)はA4版120頁ほどのものがあって,全国の大学教員がそのマニュアルに従ってある役を演じるわけです.そのイヴェントのために,弘前では会場周辺に限ってきれいに雪かきされ,羽越本線では急ピッチの補修作業がすすめられています.なんの勘違いか,本郷通りではそのイヴェントのために,葉が落とされて無惨な街路樹の幹に,さらに無惨なピンクと白のLEDを巻き付けられています.サクラサクように,ですと.ネスレの差し金であることは,どうやら同種の飾り付けが名古屋駅など全国複数箇所で行われているらしいことや,地下鉄本郷三丁目駅の飾り付けに入ってる名前などを見れば解ります.
そのイヴェントの《主役》は,ディズニーランドで言うところの「ゲスト」です.そのために雪かきも線路補修もピンクの飾り付けもなされているわけです.しかし毎年ながら「ゲスト」自身にとっても神経をすり減らすばかりで何の生産性もない儀式が繰り返され(その儀式は年を追うごとに易化し,かつマニアックな計算を強いるものになっています),しかも制度の安定性ゆえにこの儀式に加わる私立大学が増えています(参加した分,私立大学はあるタスクを軽減することができる反面,人や時間やおそらくは場所も儀式に捧げる義務を負います.また,制度の安定性を保証するために,ディズニーランドで言うところの「キャスト」の神経がすり減らされているとも言えます).私立学校って国の制度に頼らない独自性が売り物じゃなかったのかな……つまり,入学する学生の性質を独自に選択する意志を,私立学校自ら,一部分捨てていることになる,というと言い過ぎでしょうか.
もっとも,僕自身その儀式に参加する決断をしたわけですし,その代償もちゃんと受け取ることになっているので,不平たらたらで儀式に参加するわけではありません.しかし,この儀式が気付かないうちにちょっとした狂騒曲と化しているのではないか,本当にこれでいいのか,という不安がよぎる,というだけです.僕自身が「ゲスト」だったときも,こんな不毛な儀式を複数回するくらいなら,志望を変えてでも大学に入った方がましだと思いました(大げさに言っているのではありません).結局,志望を変えてでもというふうに条件を緩めていたのは,ある程度自分の進みたい方面が見えていたからでしょうか.実際に自分のやりたいことを見つけられて,しかもそのときすでにそれを許す学科にいた,というのは僥倖なのでしょうか.それとも実はほとんどの人が自然に行っていることなのでしょうか.これも僕が毎度言っていることですが,早ければ17,8歳の頃に自分の進路を選択するなんて,早すぎるように思います.もっとやり直しの効く,自由な制度にできたらなあ,と思います(そのための行動をとるつもりは今のところありませんが).

by d_ama | 2006-01-19 02:20 | miscellaneous

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