2005年 11月 14日
タクシーの中で,友人が長く付き合ってきた彼女と別れ,別の人と付き合い始めたという話を聞いて,驚嘆する.決して,未来は約束されていない. その友人が降りた後のタクシーで,日航機墜落事故の遺族がつづる『茜雲』という文集の話を,NHKラジオを通じて聞く.運転手に,音量を上げてもらった. この間の僕の変わり身は,たぶん30秒以内. よく平気な顔で,生きていられるな,と思う.一方で,僕は事故とは何も関連がない.当時高々5歳.幸いというべきか,知り合いでその事故関連の人々はいない. 結婚式という場は,新郎・新婦の幸せを感じ取るだけの場所ではない.それまでの,家族,友人,先輩,etc.の生存を確認する場でもある.文字通りの生存である場合もあれば,社会的な生存のありようを確認することもある.主に後者だけど,前者の確認がなされていることを,機械的に,予め,ではなく確認されるときに,あらためて自分の生存確率の低さを思い知らされる.僕らの生存すら,決して盤石ではない.たまたま,僕が生まれてから今までこの国は戦争もしなかったし,たまたま,僕は生存の危機に出会うような環境に置かれたこともない.たまたま,僕の周囲の人々も,それぞれ一定の生活を築いている.もちろん,その認識はある部分を無視しているだけかもしれないけど. 不在の存在に向けて語る言葉もあれば,実際に存在しながらも語る言葉をなくす機会もある. 僕の能力ではあまり言葉にならないけど.
by d_ama
| 2005-11-14 02:37
| human network
|
Calendar
カテゴリ
books / studies events / art cities/architecture human network institutions miscellaneous about (page/author) links
以前の記事
2020年 01月 2018年 10月 2018年 01月 2017年 10月 2017年 01月 2016年 11月 2016年 07月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 01月 more... 画像一覧
その他のジャンル
タグ
Author
|
ファン申請 |
||